「下請け案件が多い会社から元請け案件が多い会社へ転職したい!」と感じている一方で、元請け案件担当の働き方など、具体的にイメージしきれていない人は多いのではないでしょうか。
本記事では、新卒から両方経験して感じた元請け案件担当の働き方のリアルや求められることなどについて詳しく解説していきます。
この記事は以下のような人におすすめです!
・元請け案件が多い企業へ転職したい
・元請け企業のリアルを知りたい
・下請け企業から元請け企業への転職は現実的か知りたい
元請け案件と下請け案件の基本的な違い
まず、理解している人が多いと思いますが、簡単に元請け案件と下請け案件の違いを今一度説明します。
- 元請け案件:クライアントから直接契約し、要件定義からシステム設計・開発・運用までを担う立場
- 下請け案件:元請けや二次請けから依頼を受け、主に開発やテストなど限定的な工程を担当。指示に基づいた作業が中心
つまり、元請けは「プロジェクトを主導する立場」、下請けは「プロジェクトを支える立場」という構造的な違いがあります。
例えば、同じ開発プロジェクトでも、元請けでは「どんなシステムにするか」を決めるところから関与し、下請けでは「設計されたものを作る」ことに集中する、といった役割の違いが生じます。
元請け案件の働き方の特徴
筆者が感じた元請け案件の働き方の特徴は以下となります。
・クライアントとの直接的なやり取りが多く、納期や予算の調整も自社で行える
・プロジェクトの進め方にある程度自由度があり、無理な仕様変更や急な方針転換をコントロールしやすい
・トラブルやクレームの矢面に立つことも多く、精神的な負荷は高くなりがち
下請け案件と比べて業務の進め方などを自ら決められるため、責任感が強くある一方で裁量権があります。
下請け案件でプロジェクトの全体像が見えにくく、自分の成果が顧客にどう貢献しているのか実感しづらいと感じている人は、元請け案件担当となることで全体観を持ってやりがいを感じながら働くことできると思います!
元請け案件で求められること/身につくスキル
では求められることや身につくスキルはどのようなものがあるでしょうか。
筆者が感じた元請け案件で必要なスキルや姿勢は以下になります。
・顧客折衝能力(課題のヒアリング、提案力)
・プロジェクト全体を見渡すマネジメント力
・システムアーキテクチャ設計の知識
・状況に応じたリーダーシップと判断力
・リスクマネジメントの実行力
下請け企業の社員とも接する中で、自社の元請け案件マネージャーはこれらの能力がかなり長けていると感じました。
筆者のマネージャーは、「これらの能力は元請け案件の場数によって向上していくものが多い」と言っていました。
元請け案件を多く経験することが重要なようです。
下請けには技術的な正確性とスピードが強く期待される傾向がある一方で、元請けにはビジネス的な観点が求められます!
元請け案件経験者の市場価値
元請け案件で培った「顧客折衝力」「要件定義力」は転職市場で非常に評価されやすいスキルです。マネジメント寄りのキャリアを歩みたい場合は大きな強みとなります。
元請け案件担当者は相対的に下請け案件担当者よりも圧倒的に少ないため、必然的に希少価値が生じます。
また、これらのスキルは他業界でも重宝されます。
元請け案件が多い企業の見つけ方
元請け案件が多い企業を探したいときは以下に気をつけましょう。
・プライム案件比率を求人票や企業HPで確認
・社員の声や口コミサイトで「顧客折衝」「要件定義」に関わっているかを確認
・中途採用の面接で「どの工程から関わるか」を具体的に質問する
・プロジェクト事例を確認し、要件定義や提案フェーズに関与しているかを見る
特に1つ目の「プライム案件比率」は非常に重要です。
「元請け案件(プライム案件)多数!」と記載されていても、実際に割合としてはごくわずかというケースも少なくありません。
「プライム案件比率」を公表しているかどうかを重視しましょう!
下請けから元請けへの転職は現実的?
結論から言うと、十分に現実的です。むしろ、多くのエンジニアは下請けからキャリアをスタートし、経験を積んだ後に元請けポジションへ移るケースが多いです。
・開発力をアピールしつつ、「上流工程にチャレンジしたい」という意欲を伝えることがポイント
・PMPなどプロジェクトマネジメント系資格の取得や、要件定義の経験を小さくても積んでおくと有利
元請けへ転職する際には、単に「経験がないからやってみたい」と言うのではなく、「現場で培った技術力を土台に、上流工程でも貢献できる」という論理的なストーリーを描くと良いようです。
おわりに
元請け案件には「裁量が大きい」「市場価値が高い」という魅力がある一方で、「責任が重い」「顧客対応が大変」といったリアルも存在します。一方、下請け案件には「技術を磨きやすい」「作業範囲が明確」というメリットがあります。どちらも一長一短であり、キャリア形成の段階や目指す方向性によって価値は変わります。
しかし注意すべき点として、前途のように元請け案件の数をこなすことでしか向上が難しいスキルも多々あります。
そのため、元請け案件を担当したい場合は「下請けのスキルを積んでから…」などとは考えずにすぐに希望を出して経験を積むべきでしょう。
筆者のように新卒から元請け案件を担当することもあるので下請け案件経験は必須とは言えません!!
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